生神さまっ!

やっぱり、とでも言いたげな筒の赤い目。




「…言っただろ。俺は臆病者だって」



「分かってるの」




ふいに、筒が俺に手を差し出す。

意味も分からぬまま、そこに手を添える。




「…バイバイ、するの」



「なにに?」



「この世界に。

夏樹がバイバイしなきゃいけない相手に」




…楽しくない人生だった。

ただ毎日を生きていた。

小4なんだから、もっと子供らしくしろ?

生憎、こうゆう性格で産まれちゃったんだからしょうがない。

俺は、臆病者だから自分で死ぬこともできなかった。



楽しくない人生だった。


でも、


脳裏にちらつくアイツの笑顔を思い出すと、



案外良い人生だったな、と思う。




「…準備はいいの?」


「今からどこに行くんだよ」


「…夏樹には、天界に行く前に、見てもらうの」


「なにをだよ」



筒は、俺の手をぎゅっと握った。



「夏樹がいなくなった、この世界を」