辺りに飛ぶ、鮮やかとは言い難い赤黒いモノ。
鋭利な果物ナイフは裕也の体から離れると、刃先に赤い赤い血を付けて弧を描いた。
俺の顔に、体に、裕也の血が飛ぶ。
苦痛に歪んだ、裕也の顔。
ばたり、向日葵と向日葵の間に倒れた裕也。
胸の辺りから、ドクドクと赤い血が流れていた。
カラン、と…果物ナイフを落とす。
ふと、自分の両手を見つめる。
わずかだけど血が付いているその手…ああ、やってしまったんだ。俺は。
…もう。
もう、この世界に、俺はいれない。
人の命を無くした。自分が救われるために。
「…筒」
「…さっきも思ったけど、筒のこと筒って呼ぶの?」
「…場違いな返答だな。
ああ、嫌か?」
「ううん、嫌じゃないの」
「…筒、裕也はもう…」
「うん、死んだの」

