生神さまっ!

拗らせた恋愛話が、多くの者の笑顔を奪った。

その根源にある物が、俺と香織が一緒にいたから、という理由だ。



じゃあ、なんで一緒にいるのか。

俺たちは孤児院にいるからだ。





…じゃあ、なんで…

俺は孤児院にいるんだ。




俺を捨てた顔も名も知らぬ母親に、怒りが込み上げる。

どんな事情があったかは知らねえ、けど…



…お前の所為、たったの、たったの1つのせいで、

俺たちの関係は、これから狂っちまう。




バタフライ・エフェクト…ふと、そんな言葉を思い出す。


確か、蝶が羽を一振りしただけで…
どこかの国で、トルネードが起こってしまうとか、そんなものだ。



自分自身でどんなにどんなに考えてから行動したとしても、因果が繋がって、会ったこともない人を幸せにも不幸にもしてしまう。



…俺が死んだらまた、何か変わるのかな。




右手を、軽く動かしてみる。
そんなに、痛くない。


怖くない。




今なら…逝ける。




俺は再び目を閉じて、一気に右手を…!!







「…ちょっと待って」