生神さまっ!

わずかに震えている体。

ほおに一筋、落ちる涙。


そして、無理に笑おうとしている、口元。





「…なんで、」



俺は…それを見たくなくて、クリーム色の床を見つめる。



「なんで…裕也と会ってたんだよ…」



…看護師さんが言うには。

慌てた口調で、公衆電話から119番があったらしい。


呂律が回っていないほど焦っていた男の子の名は、

裕也。



学区内の児童公園の1つで2人は会っていた。


そして、なんらかの事情があり…香織が児童公園脇の道路に飛び出し、そこをちょうど陰から右折して来た車に…




「…言え、ない」



「…なんでだよ」



「…言いたくない、の…

夏樹には……」




数日前まで元気に俺に夢を語っていた彼女が脳裏に浮かぶ。


テニス選手になりたい、と願った香織。


それを見届けたい、と思った俺。




…もう夢は、

叶わない。





「っ…!!」