…居づらいったら、たまらない。





それは多分、みんなも同じ…
…いや、夏樹と冬斗はいつも通りだ。


ただ春乃はなんとなく気付いてると思う。私とか、2人の様子がなんか変なことぐらいは。



今だって漬物を頬張りながら、ちらちらと私たちを疑ってるのが分かる。




昨日のキス事件以来、2人とは見事に一言も話してない。
…考えても見て欲しい。


私たちの今の関係は、簡単に言っちゃえば、



シェアハウスを友達としか思っていない男女数人がしていた、けどまあ色々あってそのうちの男女がキスをしてしまった。

しかもそのキスは愛し合って、好きあって、とかじゃなくて…



…友達のまま、してしまったキスなのだ。




後悔の念しかないに決まってるでしょ。気まずいに決まってるでしょ!!



付き合ってるんならまだいいよ!?いいけど!!
なんも意識していないような相手だからね!?




…昨日の夜、私は春乃の部屋に行って、謝った。

春乃は優しくて、私になにか話したくないことがある、と察したのか、なにも聞いてこなかった。
…多分、春乃にはバレてしまった。



気になるに決まっているのに。
あえて聞かないでくれる春乃には感謝しかない。



夕飯を遅れて食べる、という私に対して、「分かったー」といつも通りにこっと笑いながら言ってくれた春乃。


感謝の気持ちが大きい理由は、それだけじゃない。



私が春乃の部屋から出ていくとき、



『あたし、春乃のホントの親友になれる、なんて思っちゃってるの。

…たまには、あたしに、弱いところも見せてね』