「…次は、夏だね」





冬斗の言葉に、自然と私達…私と、春乃と冬斗…は、夏樹の方に視線が向けられた。

けど実際の夏樹はというと、いつも通りへらへらとした食えない笑顔で笑っているだけ。




「…もう、6月なんだから。
夏だよ」



「そうだなー」



「いや、夏なんだって」



「って言っても、今日が1日だぜ?」



「…そうだけど…はぁ……」




いつに間にか月日は過ぎていた。

春が帰って来たという天界への報告とか、まあ色々な仕事が重なって。


1週間ほど前から、やぁっとゆっくりできるようになった。




次は、夏。

天界にいる人達からの無言の圧力みたいなのが押しかかって来て、私達も動き出した。




の、だけど……




「…いやー、まあなんとかなるでしょ?」



「夏樹がこれだからなー…」



「あれー、今俺の耳に秋奈の声で失礼な言葉が聞こえたぞー?」



「実際秋奈の言う通りだよー!

夏樹、全っ然やる気ないじゃん!!」



「えー?そんなこと言うなよー。

やる気アリアリだよ。アリアリー」




…絶対に、ない。


夏樹の赤い髪が、さらりと揺れる。

…あの綺麗な赤い髪は、
まさに夏っぽいのに。

それに夏樹はイケメンの中でも、スポーツマンタイプのイケメンというか。



だから、夏はすっごくにあってるのに。