「そうだ、春乃は…!!」




振り返ると、そこには笑顔の春乃が。



良かった、傷も大分薬で緩和されてるみたい。



元気そうな姿に胸をなでおろす。





「…んじゃ、もどろーぜ!!」




「夏樹、なにか忘れてない?」




「…俺、なにか忘れてる?」




「うん、忘れてるよねー」




夏樹の肩を借りた春乃が、ふらふらと歩きながらつっこむ。


…どうしよう、私も分からないよ。



いや、ココは黙っておこう。バレないようにしよう。




「…へえ、秋奈も分からないの?」



「な、なにを言ってるの冬斗!

分かるに決まってるジャン!アレだよねアレ!忘れてないよ!」



「ふーん…じゃあなに?」




…知りません、分かりません。

私を見た冬斗は勝ち誇ったような笑みを私と夏樹に向ける。



「…夏樹、なんだっけ?」


「いや、なんだっけな」




「…2人とも、なんで俺ら戦ったのかちょっとは考えろよ…」