「…いやぁ、4人揃った時いた時は本当に驚いた。


だが…


結局お前らは、4人にはなれなかったらしいな」





ふふ、と妖艶に微笑む彼女から、視線が外せない。

美しい青の髪に、青と桃色が織り交ぜられている、肩出しの着物。


社会の授業で見た、花魁のような感じ。



けど…

歴史で1番最初に習うであろう人物、"卑弥呼"の絵とは、全くもってかけ離れている。





「4人にはなれなかった、って…バカ言っちゃ俺らも困るよなぁ?

…春乃はすぐに、ここに来る」



「あら…お前でも分からないのか。

考えてみなされ、春乃はお前らより早く戦いへと身を投じたのだぞ?


…お前らよりわっちの元へ来るのが、早いはずだろう」




「っ、まさか…!!」




冬斗が焦りを顔に浮かべる。

私もきっと、冬斗と同じように…焦りを隠せないでいる表情でいるはずだった。



だって…卑弥呼の言い回しは、まるで…




「…"春"はもう、

わっちの手の中じゃ」




春乃がもう、
卑弥呼に捕まっているみたいだ。