生神さまっ!

さほ、ひめ…


はるをすべる、かみ……




「…なんでそんなに疑っているような目を私に…」



「だってあたし、疑っているもん」



「あら、本当ですよ。

それにしても酷いですね…私、やはり神っぽくないですか…」




「い、いやそうゆうわけじゃないんですけど…!」




ただ…信じられない。



そういえば、春樹、言ってた。


ここは天界だ、って…




…それなら……




「…佐保姫…様」




悩んだ挙句、最後に様をつける。

あたしの呼びかけに応じようと、彼女は顔を上げた。




「あたしは…なにを取り戻せば良いのですか?」



「…あら、良い質問ですよ」




ふふ、と可憐に微笑むと、佐保姫様は。



右手を大きな桜の木に伸ばし…下に、思いっきり振った。




すると、その桜の木は…

全て、消えた。


跡形もなく…消えてしまった。




「…あなたに取り戻してもらうのは、

春、です」