「まあ、この中じゃ俺ぐらいしか知らないけどな!はっ!」




…何急に見下してるんですか夏樹サン。



ちょっと気になってきちゃったじゃないの。




「…春の木がどうしたんだ?」



「冬斗、覚えてる?

昔…1年くらい前…春乃がココに来たばっかりの頃、ショックかなにかで倒れちゃったの」



「…ああ」




私は正直、驚いた。



だって…あの春乃がショックとかで倒れる、って…



今じゃ元気ハツラツって感じだし、ココも大好き!って感じなのに…



春乃にもそんな時があったんだ…




「俺、春乃の看病をしてたんだよ。

そしたら急に…なにかにうなされている様子の春乃が、急に涙を流したんだよ、寝てるまま」




春乃が…涙を…



途端、あの日に…そっと私にだけ告げられた言葉を思い出す。



あの意味は…?





「涙を流して、こー言ったんだよな…










『ハルキ』」