生神さまっ!

「冗談ならもうやめて!ドッキリなんかされても、全っ然嬉しくないから!

天界なんて、そんな場所のこと…信じるとでも思った!?」




もう1度彼等に背を向けて、バルコニーを開けようと試みる。



けど…どんなにやっても、開く様子なんてなくって。




「…な…んで、わた、しが…」




ボロボロと落ちる涙。


拭うことなく、そのままにする。



足に力が入らなくなって、ガクンとその場に崩れ落ちた。



…寒い。


寒いよ。




「…もう…やめ、て……」



「これは…重症なようじゃのう…」



その声は。


今まで寒かった私の体を、暖かくさせて。


今まで泣いていた私を、泣き止ませて。


私が思わず振り向いてしまうほど




綺麗で、暖かかった。




「かん、りにん…さん」




「来なさいな、秋奈。

お主が求めるものは、全てこちらにあるのじゃ。

お主の居場所も…全て」




いつの間にか…雲に、先ほどと雰囲気が違う管理人さんが乗ってる。


それに…周りの人たち…正座してるし。



一風変わったこの景色。



普通だったら怒鳴り散らしているはずなのに。




…伸ばされた手に、私の手を乗せてしまった。