雪見月

自分が悲しんでいるのは分かっている。


自分が憐れんでいるのも気付いている。


どうしてと、叫びたい思いを抱えていることも、


けれどそれを無理矢理溜め息に変えたことも、はっきりと自覚している。


ざらりと心が不快に泡立つ。


景色を見まいときつく閉じた瞳は、耳が拾う音を余計に大きくした。


「っ」


ああ。

目眩が、する。視界が歪む。


「……気持ち悪い、」


――誰もが無関心だ、なんて。


分かってるそんなこと、






ずっと、

分かってた。