雪見月

これでは埒が明かない。


懇願する。


「お願いします、頼みますから、」


必死に頼み込む。


「買い物させて支えてもらって荷物まで持ってもらってるのに、あなたに何も返さないのは嫌なんです……!」


ぴく、と彼女が小さく反応した。


何か刺さったんだろうか。


俺の正直な心境が、もれ出た焦りに混じって、俺の口から勝手にどんどん滑り出ていくので、


こちらとしては、どこが刺さったのかを考える余裕はなかった。


むしろ失礼を言っていないか、と心配なそれが刺さったのは幸運だが。