名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

でも絶対、デートをわたしと同じ意味で捉えていたらそうちゃんは照れるはずなので、これはあれだ。


認識の違いがあるはずだ。


「デートの意味をどうぞ」

「は?」


不思議そうな表情のそうちゃんに、もう一度。


「どうぞ」

「……男女が二人で出かけること?」

「…………」


そうか。そうちゃんはそういう考えなのか。


……わたしの場合、「男女が」の前に、「恋人の」って付くんだけどな。


「何、やっぱり友達呼ばないと嫌なの?」

「いや、別に呼ばなくていい、けど」


あの、と口ごもり。


「なんで一緒に出かけるのでしょうか」


やっとそう聞けたわたしに、そうちゃんは。


「一緒に出かけたいから」


やっぱりそうちゃんらしいマイペースさで、ひどく曖昧な返答を寄越した。