名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

そうちゃんが照れを不機嫌に滲ませた。


明らかに不機嫌かつ怒っているような感じがするのに、照れが多いその声色に、鼓動が速くなる。


「……うん?」

「あのさ」

「う、ん」


冷静になろう。頑張れわたし。


冷静、冷静、冷静に、


「……そう赤くなられるとこっちまで照れるんだけど」

「っ」


わたしは全然冷静になれていなかったらしい。


「……ごめん」

「佐藤さんのばーか」

「ごめんって……!」


ばたばたワイシャツを掴んで風を送るも、熱さが引いてくれない。


「……あーもー気にしないでほんと、」

「気にするだろ、普通に気にするだろ」

「だからごめんって……! 不可抗力だって……!!」

「こっちだって不可抗力だっつの……!」