名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

「半分こでしょ、そこは。ちゃんと半分持つよ」

「数えた意味がなくなるだろ」


…………う。


そうなのだ。この学校は一学年六クラスある。


一クラスぶんはそのままここに置いていけばいいから、そうすると、運ぶのは五クラスぶんと奇数になってしまう。


それをちゃんと、つまり無理矢理半分ぴったりにしようとすると、二・五クラスぶんになるという、なんとも微妙な事態が発生する。


「いいよ、これくらい平気だから」

「わたしだってそれくらい平気だよ」

「いいから」

「よくな」

「行くよ」


スルー。華麗にスルー。


「ええー……」


しょぼくれるわたしを放って、さっさと廊下に出てしまったそうちゃんを慌てて追う。


「ちょっと待っ」


追って、その薄暗さに怯んだ。