朝会には無事間に合う時間に到着して、校門をくぐってから、そうちゃんは手を離した。


そしてその夜。


約束を覚えてはいるけど、本当に約束を結んだのかな、とか、果たして七時に家の前に行ったとして、もしそうちゃんがいなかったらどうしよう、とか、悩みに悩み。


でも本人に確認はできなくて、不安なまま目覚ましをセットした。


目が冴えてばかりでなかなか寝つけなかったから、起きられないかもしれないなんて、少し不安になり。


あまりの緊張からかちゃんと眠れなかったけど、セットした時刻通りに目が覚め。


わたしが勝手に、都合よく記憶を改ざんしちゃったんじゃないかな、とか。

夢じゃないかな、これ、とか。


やっぱりものすごく心配しながら、おそるおそる、七時に間に合うように玄関を出れば。


「おはよ、美里」


諸々の心配をよそに、玄関先でそうちゃんが待っていた。


そうちゃんの方を向くと、朝日の反射がまぶしい。


……大丈夫だったみたいで、よかった。


ほう、と隠れて息を吐く。


強ばって上がっていた肩が、自然とゆっくり下りた。


「おはよう、そうちゃん」


安堵とともにふわりと浮いた心は、早鐘のように鳴っている。


おはよ、ともう一度呟いて、そうちゃんはわたしの左に並び。


「行こう、美里」

「うん……!」


口元を柔らかく緩めて、穏やかに微笑んでくれた。