名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

「それで友達が、約束したら起きなきゃ! って思うんじゃない? って提案してくれて。八時に体育館前に集合しようって決めたんだけど」

「やっぱり起きられる自信がないと」

「うん……」


朝会は、第一体育館で八時十五分から行われる。


学年とクラスごとに分かれて整列するので、体育館前に集合して一緒に整列する予定なのだ。


全然起きられる自信ないけど。

わたしだけ駆け込みそうな感じがするけど。


「美里は何時に起きたいの」

「五時半とか、六時とか」

「まあ約束したなら起きないと」

「うん……」


うなだれるわたしに、あのさ、とそうちゃんが提案した。


「俺、起こしに行こうか」

「……え?」


一瞬何を言われたのか理解できなくて、ぽかんと間抜けに固まる。


「いや、よければ。よければだけど」


そうちゃんはわたしの間抜け面に、わたしが引いてるとか嫌がってるとか勘違いしたらしい。


早口で付け足されたけど、もちろん、そんなことない。


「え? え!? いいの? 起こしに来てくれるの?」


やった! と小さく拳を握り、喜色満面で聞くと、そうちゃんは少し顔をほころばせて頷いた。