名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

「わたしはお弁当あるんだよ。長距離往復して長蛇の列並ぶのやだよ」


そうちゃんは購買でお弁当を買うか、食堂で食券を買うかしてそのままそこで食べればいいけど、わたしは持参したお弁当を教室で食べたいのだ。


む、と唇を尖らせたそうちゃんに、お弁当箱を取り出してみせて、言い募る。


「お昼休みなくなったらお弁当食べられなくなるじゃんか。そうしたらおなかすくじゃんか」


いくらそうちゃんといられるからと言ったって、お昼ご飯なしになるのは嫌だよ、わたしは。


むむ、とさらに眉間にしわを寄せたそうちゃんは、少し考えて、はっと何かをひらめいたらしい。


表情を明るくしたと思ったら、突然わたしのお財布とお弁当箱を受け取った。


お、よし、説得できたらしい。お弁当買ってくるのかな。


……ん?


あれ、ちょっと待って。


お財布は分かるけど、なんでお弁当箱まで受け取ったのそうちゃん。


不穏な成り行きに焦るわたしに、そうちゃんはお財布とお弁当箱を持ったまま、実ににこやかに提案した。


「じゃあ、一緒に食べよう」

「……え?」

「だから、俺と美里で一緒に昼飯食べればいいじゃん」


いや、え?