名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

四時間目が終わり、お昼休みになって、さすがにお昼休み中は来ないだろう、と授業の片づけやロッカーの整理をしていると。


「美里ー」


なぜだかひょっこり顔を出した、幼なじみさん。


え、なんで。


一瞬ぽかんと呆けてしまったのは仕方がないと思う。


そうちゃんは若干傷ついたような顔をしたけど、わたし、別に、ひどくない。


だって、お昼休みにわたしに借りるものなんてないでしょうよ。


古典とか英語とか予習が必須な教科があるならまだしも分かる。


でも、それならそうちゃんは真っ先に言うはずだし、朝一番に借りるくらいじゃないと間に合わないと思うし、言わないってことは違うんだろう。


そこまで考えて、お昼ご飯を食べようとして、思い至った。


「……ねえ、もしかしてお弁当もないの?」

「うん」


あっさり頷いたそうちゃん。


……やっぱりかあ……。


「お財布は?」

「鞄につっこんでた」


から、今手元にないと。


つまりお昼ご飯が食べられないと。それは困った。


「……お金貸すから購買行く?」

「ん、行く」


頷きに、はい、とわたしのお財布を鞄から取り出したのに、受け取らない。


あまつさえ「やだ」とか言った。


「はい?」