名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

さらっと二枚チケットを発券しようとしたそうちゃんに慌てつつ、自分でお金を払って、飲み物を買う。


そうちゃんはアイスティー、わたしはアイスココアを注文した。


「ほんとココア好きだよな」


隣で聞いていたそうちゃんが、ふはっ、と噴き出す。


そうちゃんの笑顔は心臓に悪い。


「……美味しいから」

「知ってる」

「……そうですか」


くそう、なんて思いながら勢いよくストローをさしたら、逆にさしていたらしく、舌を突いてしまった。


い、痛い。


学割チケットなので、学生証を提示して学生だと確認してもらって、中に入る。


人がまばらで、前の人でスクリーンが隠れることはなさそう。


席に座り、隣を意識して若干緊張しつつ、流れる告知を何とはなしに見ていたら。


『ぎゃああああああ!!』


絹を裂くような甲高い悲鳴と画面を覆う血に、びくりと肩が跳ねた。


わたし、わたしホラー駄目なのに……!


告知にホラーが混じっていたらしい。