名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

わたしが見やすい向きにしてメニューを開いてくれたそうちゃんが、わきから一緒に覗き込む。


「見た?」

「見た」

「めくっていい?」

「ん」


机の真ん中に顔を寄せ合って、何度もページをめくったり戻したりしながら、ゆっくり選ぶ。


パスタとかグラタンとかドリアとか、たくさんあると迷うよね。


「何食べる?」

「ケーキセットかな」

「これ?」

「うん」


指差しの確認に頷いた。


青字で大きく書かれたケーキセットは、キッシュまたはパスタまたはフレンチトーストと、お好きなケーキと、飲み物のセットだ。


キッシュは一切れが結構大きめで、チーズが入っていたり野菜がたっぷりだったり。

パスタはトマトかバジルか。

フレンチトーストは、大皿の半径ほどの大きなフランスパンのものが二つ。メイプルシロップとバターとハチミツをお好みでどうぞ、らしい。


「佐藤さんはキッシュ? パスタ? フレンチトースト?」

「キッシュにする」


ん、と頷いたそうちゃんはまだ悩んでいる。


視線をたどったところ、キッシュとパスタで迷っているらしい。


「キッシュ半分こする?」

「する」

「チーズ多めでいい?」

「ん」


即答に笑って、じゃあパスタ半分こね、と言ったら実に神妙に頷いたので、もう少し笑った。