名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

「俺さ、今日の佐藤さん、可愛いって本気で思ってるから」


——Tシャツの青が、鮮やかすぎるほどだった。


甘やかな余韻に心臓がうるさい。


顔が途端に熱くなる。


思わず耳を疑って、そうちゃんを凝視した。


困った表情。

結ばれた口。

泳ぐ視線。


大きめのVネックから少し鎖骨が覗いていて、無造作なそれにどきりとする。


あまり長くない襟足に、青と黒がよく似合うと思った。


さらりと流れた髪に、わずかに隠れている耳。その赤。


いまだに赤いのは、勘違いでなければ、照れているから?


「……え、えと」


もう一度確認したそうちゃんの耳は、やっぱりひと刷け朱く。


照れてることも、きっと本心なことも分かったけど、戸惑う。


口をぱくぱくさせて間抜けに固まったわたしに、焦れたように。


「可愛いよ」


わたしの目を見て、もう一度そうちゃんが言った。