「じゃ、また明日、佐藤さん」
「うん、また明日、佐藤くん」
そうちゃんはわたしに声をかけるとき、大抵佐藤さんをつけるようになった。
二人ともいまだ慣れない呼び名に慣れるべく、できるだけたくさん呼ぶように心がけているんだと思う。
嬉しいけどくすぐったくて、心が浮く。
そうちゃんはわたしを佐藤さんと呼ぶのに、わたしはそうちゃんを佐藤くんと呼ぶのに、お互い早く慣れたい。
だから、自然と「佐藤さん」「佐藤くん」が会話の三分の一を占めるし、語尾みたいになってるし、自然と気恥ずかしさが募る。
お互いを「佐藤さん」「佐藤くん」と呼び合う度にまだ違和感を覚えるのは、多分わたしだけじゃないはずだ。
でも、ちょっとずつ慣れ始めた違和感は、前と違って、重苦しくはない。
……ほんの少しだけ、甘く懐かしい。
今までずっとしゃべらなかった。
それが、少しずつではあるけど話すようになって、名字で呼び合うようになった。
今日なんて、連絡する約束もできた。
すごい進歩だと思う。
ほてる頭で文面を考えながら、ゆっくり玄関の扉を閉めると、お隣でも開いた音が聞こえた。
「うん、また明日、佐藤くん」
そうちゃんはわたしに声をかけるとき、大抵佐藤さんをつけるようになった。
二人ともいまだ慣れない呼び名に慣れるべく、できるだけたくさん呼ぶように心がけているんだと思う。
嬉しいけどくすぐったくて、心が浮く。
そうちゃんはわたしを佐藤さんと呼ぶのに、わたしはそうちゃんを佐藤くんと呼ぶのに、お互い早く慣れたい。
だから、自然と「佐藤さん」「佐藤くん」が会話の三分の一を占めるし、語尾みたいになってるし、自然と気恥ずかしさが募る。
お互いを「佐藤さん」「佐藤くん」と呼び合う度にまだ違和感を覚えるのは、多分わたしだけじゃないはずだ。
でも、ちょっとずつ慣れ始めた違和感は、前と違って、重苦しくはない。
……ほんの少しだけ、甘く懐かしい。
今までずっとしゃべらなかった。
それが、少しずつではあるけど話すようになって、名字で呼び合うようになった。
今日なんて、連絡する約束もできた。
すごい進歩だと思う。
ほてる頭で文面を考えながら、ゆっくり玄関の扉を閉めると、お隣でも開いた音が聞こえた。


