名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

おばさんとお母さんは友達で、なんとなく話したくなったら話しに行って、その流れで話し合ってメニューを決めるから、大抵のご飯はおんなじものになる。


作るのが誰にせよ、二人が話し合ってメニューを決めて材料を買ってくるから、冷蔵庫にはその材料しかなくて、わたしが作ってもお父さんが作っても、多分そうちゃんが作っても同じメニューになってしまう。

カレーをシチューにするならまだルーがあればできるけど、肉じゃがにするってなると、しらたきとかグリーンピースとか、ちょっと材料が足りない感じ。


だから、ご飯の話題はたまにならいいけど、わたしもだよって毎回毎回言ってたら、そのうち飽きてしまうし、困るし、会話がぎくしゃくしそうなんだよね。


同じ学校に通ってるんだから大体同じようなできごとがあるはずだし、同じようなことをしてるはずだし。


何か話題にできそうなほどのことなら絶対耳に入るんだから、わざわざ文字に打つくらいなら帰りで話した方がいい、という。


それもあって、今まで連絡しにくかった。


この話をしたいけど、普通に考えて帰りに話せば話せることだし、しかもこれをもし本当に送信したら記念すべき初回はこれになるわけで……。


そう考えると、いつか、もっと素敵な話題がありそうな気がして。

そんなことじゃ、せっかくの初回がもったいない気がして。

残念な気がして。


やめておこうかな、なんていつも結論づけていたのは、臆病で馬鹿だった。


今はまだ、ぎくしゃくして不恰好でもいい。


でもちゃんと、近いうちに、もっと親しくなれるように努力する。


こまめに連絡して、できれば会って話をする。


それでいつか、自分で送ったささいな内容の話の流れで続きを送るんじゃなくて、そうちゃんが送信してくれた、ちょっとした話に返信したい。


どんな話だろう、と、隣を見遣って幸せな想像をした。