名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

まずは文を打とう。

何度も読み返して、慎重に、慎重に、文字を打とう。


電話じゃない方がいい。文字の方がきっと、落ち着いて話せる。


そうちゃんの声が電話越しに聞こえたら、心臓が裂けてしまいそうな気がした。

冗談では、なく。


でも、文字ならきっと、そんなことはない、はずだ。きっと。多分。


不安はあったけど、諦めるつもりはなかった。


好きならちゃんと、コミュニケーションを。

好きならちゃんと、言葉で。


わたしは分かりやすい自覚はあるから、そうちゃんが好きだってこと、そうちゃんにもバレバレなんじゃないかなあ、とは思う。


でも、態度で伝わるだろうなんて勝手な期待はしちゃ駄目だ。


「俺、結構不精するよ」

「いいよ。余裕があるときに返してくれたらそれでいい」

「そう」


早く返さなきゃって無理したら、疲れてどこかで綻びが出るだろう。


それに、連絡したいって意気込んではみたものの、わたしも多分、あんまり頻繁には送らない。


だってまさか、今日は何があったとか、何をしてたとか、そんなに頻繁に言うわけにはいかないし。


昨日はアジフライ食べたとか、今日はオムレツ食べたとか報告されても困るだろう。


わたしもそうちゃんから「サバ味噌食べた。うまかった。」とか報告されても困る。