名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~

目を見開いて凝視してしまったわたしから逃れるように、そうちゃんはまた唇を引き結んで、ふい、と顔を背けた。


「でもスタ爆はやめて」

「やだ!」

「……おい」


勢いよく振り返ったそうちゃんは眉根を寄せているけれど、鋭い眼光は流しておいて、弾む気持ちのまま頬を緩める。


そっか。そっか。

わたし、連絡してもいいんだ。


そうちゃんに連絡して、いいんだ。


「じゃあ、さ」

「ん?」


律儀にこちらを向いてくれたそうちゃんの切れ長の目をしっかり見つめて、はやる気持ちをそのまま告げる。


「じゃあ、今日夜ご飯食べたら連絡する。……あ、ごめん用事とかある? 大丈夫、かな。連絡、してもいい?」


思わず言い切ってしまった。


はっとして慌てて訂正し、緊張のあまり不恰好になった問いかけに、そうちゃんは一度ゆっくりまばたきをして。


「ん。いいよ」

「うん……!」


まっすぐにわたしを射抜くような瞳は、いつもより優しい。


大丈夫、とか、待ってる、とかまでは言ってくれないけど、そうちゃんのそのまなざしが穏やかだから、充分だ。


連絡先を知っておいてよかった。


衝動のまま削除してなくてよかった。


連絡してもいいかと聞くだけでこんなに時間がかかったんだから、わたしじゃきっと、いつまで経ってもそうちゃんからなんて連絡先を聞き出せない。


連絡先を交換するだけなのに、絶対、年単位での計画になったに違いない。


……交換してからも、随分と時間がかかったけど。