その死体はクローゼットの中に……。


視線は自然のクローゼットへと向かう。


あの中に、まだ女はいるのだろうか。


それとも、夜の内にどこかへ移動しているかもしれない。


安易にあたしを部屋へ入れたということは、ここにはもう死体がない可能性がある。


「座って」


そう言われ視線を向けると、颯がベッドに座っていた。


あたしは自然と颯隣に座ることになる。


昨日、あの女が座っていたのと同じ場所。


ベッド周辺を確認してみたが、女の血は少しも残ってはいなかった。


「純白がくれたクマ、すごく可愛いね」


そう言われ、あたしはハッとした。


「ご、ごめんね。何をあげていいか迷っちゃって、ぬいぐるみなんか……」


「ううん。純白からのプレゼントならなんでも嬉しい」


そう言い颯はあたしの頬にキスをした。


きっと、この場面もあのクマにすべて見られているだろう。