颯と死ぬまで一緒にいられればそれでいい。


それが、今のあたしの夢だった。


「あれ?」


写真からスマホへと視線を移すと、そこには颯の姿が映っていた。


颯はすでに部屋着に着替えてきて、ベッドに寝転んでいる。


「こんな服持ってたんだ……」


颯は家ではいつも黒色のジャージを着ているが、今日は白いTシャツに七分丈のパンツ姿だ。


その時、カメラの映像が乱れた。


砂嵐のような画面になり、「ちょっと!?」と、慌てる。


しかしそれはほんの一瞬の出来事で、すぐに画面は元に戻った。


あたしはその様子にホッと胸をなで下ろす。


よかった。


監視カメラが見られなくなったら、どうしようかと思った。


たった一瞬の不具合でも心臓は潰れそうだった。


あたしは完全に、監視カメラに依存してしまったのだった。