そう思ったとき、希彩ちゃんと目が合った。


ドキッとして思わずスマホを遠ざける。


しかし当然希彩ちゃんにあたしが見えているわけではなく、希彩ちゃんはクマのぬいぐるみに興味を持ったようだ。


希彩ちゃんはクマを指さし、颯に話しかける。


颯は困ったように頭をかく。


このクマのぬいぐるみが欲しい。


そう言っているのかもしれない。


ダメ。


やめて。


希彩ちゃんの部屋を覗いたって意味がないんだから。


ハラハラしながら2人の様子を伺っていると、颯がプレゼントの箱から大きなぬいぐるみのついたストラップを取り出した。


希彩ちゃんの興味が一瞬にしてそちらへ向かう。