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「ただいま」


希彩のお見舞いから帰ってきてまだ誰も帰ってきない家に入ると、途端に寂しさを感じる。


真っ直ぐ自分の部屋に向かい、ドアを開けると西日が差しこんでいた。


そしてベッドに座った時、目の前にあるクマのぬいぐるみが嫌でも視界に入ってきて、俺の胸は更に締め付けられた。


「純白……どこに行ったんだよ……」


俺の彼女、純白が一週間前から行方不明になっているのだ。


それは丁度希彩が目覚めた日で、純白に何度連絡を入れても返事は帰ってこなかった。


純白の両親に話を聞くと、お兄さんも一緒にどこかへ行ってしまっているという事で、2人で家出をしたんじゃないかと思われているそうだった。


でも、純白の部屋を捜索しても、お兄さんの部屋を捜索しても、家出につながるようなものは何も出て来ていないという事だった。


俺はベッドから立ち上がり、クローゼットを開けた。


沢山詰め込まれている荷物の中から、一冊のアルバムを取り出す。


開くと、そこには純白の無邪気な笑顔が沢山写っている。


純白には気づかれないよう、隠し撮りをしたものばかりだ。