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「お前に妹以上の感情が芽生えたのは、もう何年も前の事だ」


突然そう言われ、あたしはビックリしてお兄ちゃんを見た。


あたしに妹以上の感情を?


そんな事を言われても、ピンとこない。


お兄ちゃんとはここ数年まともに会話もしていないんだから、そんな事に気づくハズもない。


「俺はその気持ちを隠すために難しいコンピューターの勉強を始めたんだ。家にいてもお前と顔を合わせないために」


そう言い、お兄ちゃんは辛そうな顔をした。


部屋に引きこもっていたのは、あたしから遠ざかるためだったようだ。


「でも……どうしても好きで。自分じゃもうコントロールもできなくて……。俺はお前の部屋を調べるようになってた」


お兄ちゃんはそう言い、「ほんと、ごめんな」と、あたしに向けて言った。


「それからお前は颯と付き合い始めて、すごく嫉妬して。だけど、お前が颯の妹に嫉妬していることも、俺は知っていた」


あたしの事ならなんでも知っている。


そんな雰囲気だ。