マスクを外したお兄ちゃんはあたしの隣に座った。


その目は優しくて、いつもと何も変わらないようにみえる。


でも、お兄ちゃんがこの部屋にいたということは……あの子たちを殺したのはお兄ちゃんということだよね?


頭は混乱し、なかなか整理がつかない。


「混乱してる。そんな感じだな」


お兄ちゃんはそう言い、あたしの頭を撫でた。


それは昔、小さな頃あたしを撫でてくれた手を同じだった。


何も変わらない、その優しさがあるんだと感じる。


「すべて正直に話そう」


お兄ちゃんは小さく息を吐き出し、そう言ったのだった。