目が覚めたとき、あたしは腹部の痛みで顔をしかめた。


「痛っ……」


呟き、身をよじる。


少しの間その痛みに耐えていたが、徐々に周囲の様子が気になり始めた。


ここは……颯の部屋?


見覚えのある家具に、あたしが寝かされているのは颯のベッドだ。


それに、あたしが置いたクマのぬいぐるみもちゃんとある。


でも……颯があたしを拉致する理由がない。


だとすればこの部屋は……。


あたしは弾かれたように上半身を起こし、窓の外を見た。


そこには見覚えのない森が広がっている。


途端にゾワリと身の毛がよだった。


体温が急激に低下していき、手足の先端がピリピリとしびれる感覚がする。
間違いない。


ここは犯人の部屋だ。