あまり眠れていないのか、鼻声みたいになっている。


「颯、どうしたの?」


《あぁ……、希彩なんだけど……》


その言葉に、ドクンッと心臓が跳ねる。


颯からの電話だから、当然希彩ちゃんについてだと思っていた。


でも、いざその話になるとドキドキしてしまう。


あたしは大きく息を吸い込んだ。


大丈夫、覚悟はできてる。


希彩ちゃんが死んだという連絡でも、笑いを我慢することはできる。


「あれから、容態に変化はあったの?」


《それが……》


颯が言葉に詰まらせる。


「颯……?」


《なんとかヤマは超えたんだ》


その言葉にあたしは唖然としてしまった。