カ・ン・シ・カメラ

☆☆☆

颯の家を出てゆっくり歩いていると、後ろから足音が聞こえて来た。


颯のものじゃないことは、すぐにわかる。


歩幅は小さく、感情に任せて地面をけり上げているのがわかる。


あたしは付けられている事に気がつかない振りをして、普段は通らないひと気の少ない道を歩く。


足音もそれについて来た。


道幅は狭く、だけど交通量は多い。


そんな道を歩調を早めて右へ左へと曲がりくねる。


後ろの足音はあたしを見逃さないように時々速足になる。


ここまでくれば、もう1人では帰れないだろう。


そう思った時、あたしは足を止め振り向いた。


真後ろにいた希彩ちゃんがハッとした表情を浮かべて足を止める。


「あたしになにか用事?」


あたしは穏やかな口調で希彩ちゃんに話しかける。