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希彩ちゃんが帰ってきから数十分経っても、颯は部屋に戻ってくる気配がなかった。


時々一階から2人の楽しそうな笑い声が聞こえてくる。


颯にとって部屋で彼女が待っている事なんて、きっとどうでもいい事なんだ。


あたしはカバンを持ち、立ち上がった。


部屋を出る寸前、クローゼットに視線を向ける。


「颯はあたしが止めるから」


そこにいるであろう3人の子たちにそう声をかけ、部屋を出た。