私は、ゆっくりと話し始めた。


「綾さん。」

「ん?」

「あのね、蓮のこと全部、思い出し、たの。」

「…そっか…」

「私、忘れてた。
ひどい、自分が、許せない。
なんで、忘れてたんだろう、
あんなに世界で一番大切な人を、
愛してる人を、忘れてたんだよ?」


溢れて止まらない涙。