「本番は、まぁ忙しいときに休日返上で仕事したからそこの振替がもらえるから大丈夫だな。」
と旬。
「私は元からオフ」
と私。
「朝一でカット入ってるけど、13時〜の本番は間に合う!」
と修。
「俺も普通に仕事休みの日〜」
と郁斗。
「俺は夜からだから大丈夫かな。」
と要路。
おお、ここまでスケジュールが揃うか。
なんて私は感嘆した。
「まぁ・・・デザインどうこうにしても、
素材がな・・・」
そう言って旬は立ってアトリエ内にある布などが置かれている部屋に入る。
「あんまねぇんだよな・・・
ハロウィンっぽい服にあう生地・・・」
悩ましげな声を出す旬。
「ワリカンするー?」
と私。
「てか美園から貰えばよくね?」
と郁斗。
「いやいや、それはさすがに。
俺たちは卒業したからな。」
と突拍子もない郁斗の発言にストップをらかけるのは要路だ。
「いやいや〜
俺たち美園でレジェンドって言われてんだぜ?
そんくらい先生たちも心広いって。
久々に顔だしたい気持ちもあるしさ。
無理だったらワリカンでよくね?」
と修。
確かに、私達は在校生に崇められるほどの成績を収めている・・・らしい。
実際自分たちがやるべき仕事をこなし、
自分たちの限界に到達、寧ろ超越するくらいに頑張った結果、ってだけなんだけど。
まぁ、顔を出したい気持ちもある。
恩師もいるし。
「それでいいんじゃない?」
と私が一押しすると、
早速デザインが決まれば押しかけるらしい。
とりあえずその日は特に作業せず談笑に終わったが、
明日からデザインが決まれば動き始める。
仕事終わりにできるだけアトリエに集まって作業する。
あぁ、とってもワクワクする。
あの時に・・・学生時代に戻ったみたい。
私の心はとても弾んでいた。


