「羽美〜〜!!」
私は登場するなり気持ち悪い郁斗をタイキックで成敗したらしい。
さすが羽美。
わかっていらっしゃる。
「わぁ、美里か。
すごいメイク・・・」
「へへ。」
私は笑ってみせる。
「おー。
羽美みにきたのか」
修が羽美に話しかける。
「うん!
こっから車で30分くらいのところで撮影さっきまでやってたの。
少し顔を出しただけ。
お昼休憩もらったから。
もう戻らなきゃ。」
「え!もう行くの」
私は寂しくなる。
そして写真撮ろう、なんて言って写真撮って、それから羽美は帰っていった。
「俺なんて蹴られただけ。」
復活した郁斗の言葉なんて気にしません。
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「そろそろだね。」
「頑張れよ」
「ふぁいと〜」
「いつも通り、ね」
「お前なら大丈夫だな!」
旬、郁斗、要路、修と続く。
美園のときのような緊張感ってものはそんなにない。
だから、明るい気持ちでいける。
袖にいく時間が近づき、私は舞台裏に向かう。
付き添いはなし、らしい。
ふぅ、私は一人で出番を待つこととなった。


