【完】『雪虫の舞う頃に』


ケーキをひとしきり完食し、紅茶を干した駿は、

「釣りは祝儀や」

とだけ言い置いて一万円札をテーブルに置くと、茉莉江のカフェを出た。

風は、強い。

雲は切れ切れに、雨上がりの済んだ空を枯れ葉が舞ってゆく。

「…さて」

再びポケットバイクに打ち乗ると、雪虫が忙しない街へ、再び消えていった。




〔完〕