ちょうど非常階段が目についた。
誰もいない。
ここの上の踊り場で……
「戸崎さん」
急に名前を呼ばれ、
「……んだと、コラァ!?」
俺は振り向きざまに凄んでいた。
振り向いた先には……
ショートカットに化粧っ気なし。
少しつり目で健康的な肌色をした……
山形みどりがいて。
「ご……ごめんなさい」
俺を見て眉を寄せる。
げっ。山形か。
しかも、そんな顔するんじゃねーよ。
調子狂う。
「わ……悪い、つい……」
俺はおかしな山形に背を向けて、スカートの下にジャージを履く。
そして、青色に汚れたスカートを脱いだ。
山形、もう俺のことは気にしないでくれ。
放っておいてくれ。
山形はウザいけど、今回の事件には関係ない。
これは俺と浅井の戦いだ。
浅井にひと泡吹かせてやるだけだ。



