「健吾。お疲れー」 優二君がへらへらと健吾君に近寄る。 健吾君は顔色一つ変えず、あたしを見た。 なんか…… 気まずい。 蛇に睨まれたカエルの気分だ。 居心地が悪く、 「は……はじめまして」 なんとか挨拶をする。 健吾君は 「……あぁ」 そう言ってなおもあたしをじろじろと見た。 気まずい沈黙が訪れるスタジオ。 気まずいと思っているのは、きっとあたしだけではない。