柚と柊の秘密







「柊君、やっぱり上手だな」




賢一おじさんまでそんなことを言ってくれる。

とても嬉しい。

嬉しいけど、何だかくすぐったいよ。





こんな賢一おじさんにあたしは言っていた。




「それでもやっぱりプロはレベルが違うよねぇ。

あた……俺が頑張っても、お父さんみたいにはなれない」





本当にそう思う。

お父さん、普段はあんなにのほほーんとしているけど、ステージに立った時は全然違うんだから。

普通の人じゃないオーラがあって、聴く人全てを自分の世界に入れちゃって。

あたし、思うんだ。

ライブの時のお父さんはあたしの知ってるお父さんじゃない。

手の届かない、すごいすごい人みたい。





「プロになるのは才能も重要だけど、柊君のお父さんは努力家だからな」




賢一おじさんはそんなことを言う。




「それに、柊君のお父さんもおじさんも、すごい仲間がいたからプロになれた。

……おじさんたちのリーダー、優弥おじさんが」