だけど……
「坊主でもいいんじゃない？」
笑いながらそう言ったのはなんと山形で。
こいつ……
何を言いやがるんだ？
俺は目を見開いて山形を見ていた。
山形はやっぱりおかしそうにくすりと笑って言う。
「人は外見じゃないんだよ」
ズキン……
俺の弱い心が痛んだ。
そうだよな、山形の言うことは最もだ。
山形は、イケメンじゃなくて性格のいい男が好きっつーことか。
分かっていたけど、やっぱりダメージが大きい。
直接言われるとか拷問じゃん。
これじゃ、イケメンの俺、山形を落とすことなんで出来るはずねーよ。
意気消沈した俺は、ぽつりと山形に聞く。
「お前は性格のいい坊主と付き合う気あるのかよ」
山形はやっぱり少し赤くなって答えた。
「うん」
