柚と柊の秘密










柊様に戻ったというのに、元気が出なかった。

四六時中山形のことを考えてしまう俺は重症だ。

なんであんな部屋でやったんだろう。

あの部屋にマネージャーが出入りしていたことくらい、知っていたのに。

それより、なんて愚かなことをしたんだろう。

はじめから分かっていたのに。

山形が好きなことくらい、分かっていたのに。








「柊、ギターの練習進んでる?」




いちいちうるさい優二に、




「当たり前だろ。

来週には全て完璧になってるだろうよ」




怒鳴って気付く。




俺じゃない。

俺が練習するんじゃない、柚だ。

さっき柳に怒られたばかりなのに。

俺、また柚に無茶させようとしている。





「あ……あのな、優二……」




慌てて言い訳しようとしたが、




「本当?すげーな、柊って」




優二は信じきってしまっていて。




「じゃ、来週の月曜日の練習、期待してるからな!」




なんて爽やかに去っていってしまって。

俺はまた新たな罪を作った。





はぁー、もうダメダメだ。

俺がこんなんだから、山形にも嫌われるんだろうな。

っつーか、今後山形にどんな顔して会ったらいいんだろうか。





俺の心の中を、味わったことのない恋の嵐が吹きすさぶ。

超ナルシストプラス思考の俺が、こんなにマイナス思考になっちまって。

どーしたものだよ。

俺はため息をついていた。