「そんなにすごいことなの?」
あたしはぼーっとなって優二君を見ていた。
「すごいも何も……」
「艶が出したギター教本の最後の曲だな」
静かにそう言ったのは健吾君で。
「あの教本の中で、ズバ抜けて難しい。
プロも練習に取り入れている有名なやつだ」
「えぇ!?」
なに、それ!
この曲、そんなにハイレベルなの?
お父さんが涼しい顔で教えてくれるから、基本中の基本だと思っていた。
それに……
艶って、お父さんのグループのリーダーの優弥おじさんだよね?
優弥おじさん、カリスマなのは知っていたけど、そんな本まで出していたんだぁ。
何だか感動してしまった。
優弥おじさんがすごい人なんだと再認識して。
あたしたちの前では、ただのおじさんなのに。



