いつの間にか必死になっていた。
そして、部屋の中が静かになっているのに気付かなかった。
一通りのウォーミングアップを終えて、昨日まで練習していた曲の楽譜を開く。
まだまだ完全ではないけど、あたしなりに頑張ろう!
そう思った時だった。
「柊……さっきの、すごくない?」
「え?」
あたしは優二君を見ていた。
優二君は目をまん丸にしてあたしを見ている。
優二君だけでない。
慎也君も驚いた顔をしていて。
あたしの右にいる健吾君だけが、ふっと鼻で笑う。
「さっきの、誰に教えてもらったの?」
優二君の言葉に、
「お父さん」
そう答える。
優二君、なんでそんなに驚くの?
だってあれ、お父さんはただのおまじないの曲って言ってたよ?



