隼人の手が、さりげなくうちの手を握り締めた。 「今日は遅いから帰ろう。 それともまだ一緒にいたいか?」 ―一緒にいたいけど。 今日はどうしても、伝えたい人がいる。 「今日は…行くところあるんだ。 うちの大事な友達のトコ」 「あぁ。アイツか。 仲がこじれる前に、全て話せよ。」 小さく頷いてから、 ふと隼人を見つめて、あることを思いつく。 「ねぇっ!折角だから写メ撮ろうよ!」 「俺、写真は嫌いだ。」 「えぇ?思い出よ!思い出」 「…何の写真を撮る気だ?」