先輩も男子のほうかぁ。 見たかったな。 「じゃあ、唯。 ゴールで待ってるね」 「うん、ありがと」 先生の合図が聞こえて、唯から少し離れる。 その時背中に誰かがぶつかる。 「あ、ごめんなさい」 「あっ…ご、ごめんなぁ?」 関西弁? 珍しい子。 隣のクラスの、結構賑やかな女の子だ。 「あれ、1人で走るん?」 「まぁ」 「一緒に走らへんっ?走る人おらんくて」 「あたし、人のペースに合わせるの好きじゃないから。ごめんね」